早期退職ブログ

早期退職後の暮らし。

午前十時の映画祭「用心棒」。

また新宿TOHOシネマズで見てきました。午前十時の映画祭は黒澤明月間(?)に入り、今回の「用心棒」の後は、「椿三十郎」「七人の侍」と続きます。

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オレは卒論で黒澤明のことをテーマにしたくせに、実は劇場で見た黒澤映画は「影武者」「乱」「夢」「まあだだよ」と、後期の数本だけです。まあ、年齢的に仕方ないのと、黒澤映画は名画座ではあまり上映されなかったということもあります。

 

「用心棒」とその続編の「椿三十郎」は黒澤映画の中では最も娯楽色の強い作品です。「七人の侍」もアクション映画ですが、なんせ3時間ぐらいあるので、「気軽に見る娯楽映画」という意味ではややハードルが高いです。

その点、「用心棒」「椿三十郎」は90分程度だから取っつきやすい。中身的にも、圧倒的に強い主人公が敵をバッタバッタとやっつけるという、セガール映画みたいな感じだし。おそらく欧米で黒澤映画がこれほど人気になったのは、この2本の影響が大きいと思います。(「ボディガード」の映画の中でケビンコスナーも「用心棒」を見てた)

羅生門」とか「乱」は芸術的な評価が高いものの、観念的過ぎて大部分の欧米人には分からんだろうから、こういう作品だけだったら、人気には繋がらなかったのではないかと。

 

初めてスクリーンで見た「用心棒」は、やはり迫力があって良かったです。シネスコ東宝スコープ)なので、家の横長テレビ(死語?)だと上下に黒みが入ってしまってたのが、劇場のスクリーンでは、縦も横も目一杯映像が映ってて迫力満点です。

黒澤映画で導入されたと言われる、人を斬る時の「ズバッ!」とか「ザクッ!」みたいな音もカッコいい。

 

やっぱ、映画を作る人は劇場で見てもらうことを前提に作ってるんだから、なるべくその環境で見るのがいいよね。

チーターだって動物園で見るのより、アフリカのサバンナでトムソンガゼルを狩ってるとこを見た方がいいのと同じだね。