2月の続き。
病院スタッフ皆さんのおかげで、親父は見た感じだいぶ良くなってきた。
だけど主治医は「良くなっているのは薬の効果。基本的に心臓は半分しか機能していない。心臓自体はいつどうなってもおかしくはない」と釘を刺している。
オレは「親父が退院する場合」と「親父が死ぬ場合」の両方に対応出来るよう準備しておかねばならん。
3/4 お袋とお見舞い。親父は顔色もだいぶ良くなり、よく喋る。喋ってはいるが、会話になってない部分も半分くらいある。
不明だった横浜銀行の暗証番号を親父から教えてもらった。近々、トライしてみる。
看護師さんから、「この後、再び、ICUから一般病棟の個室に移動する」と説明。
実家に戻ってから、お袋に「良くなってるけど、いつ死ぬか分からん。退院出来ても介護が待ってるから大変。どちらにしても覚悟しておくように」と話しておいた。
お袋もそこらへんはよく分かってくれているようだ。たぶん。
3/11 町田市の介護担当の人が面談のため病院に来てくれた。50代半ばくらいのおばさん。この前の可愛い女性ではなくて、がっかり。
体がどれぐらい動かせるか、認知機能はどうなのかなどをチェック。
親父は生年月日はきちんと言えたけど、「いま、何歳ですか?」という質問に「65歳」(←本当は86歳)。
「本当に?よく考えていいですよ」「65歳」
この調査から1ヶ月程度で介護判定がおりるそうだ。
2月分の入院治療費73700円を払う。
3/12 お袋とお見舞い。
主治医と話す。「薬を飲んでれば安定するようになったので退院準備に入って。ケアマネージャーも今のうちに決めた方がいい」
お袋が実家を掃除しまくってる。親父が入院してる間に、親父の古雑誌やVHSのビデオテープを捨ててしまおうと張り切っている。
親父はレンタル落ちした映画の中古テープを買い集めてたそうで500本ぐらいあるのだ。それを半分に減らしたいらしい。
エロビデオらしき物も発見し、それはハサミでズタズタに切って捨てたそうだ。
たぶんそのエロビデオはオレが中学生の頃に、親父の本棚から見つけたものと同じだろう。
オレも何度も見させてもらった。洋ピン無修正。印象に残ってるのは、「宇宙からやって来た金髪美女が地球人男性のナニに感動してやりまくる」というお話。
3/13 病院の相談員さんと電話。「候補となっている3つの地域包括ケア病棟(介護認定がおりるまでの繋ぎの病院)に空き状況を確認します。それと介護認定がおりる前にケアマネジャーと会っておいて」
どうやら親父は死なずに退院することになりそうなので、今後オレの労力は介護方面の対応に向けることになった。
親父から聞いた横浜銀行の暗証番号は違ってた。あー、メンドくせー!
3/14 病院の相談員さんから電話。「町田の3つの地域包括ケア病棟は満床。そこで鴨居(横浜市緑区)のケア病棟はどうだろう。こちらはすぐに入れる」とのことなので、「それでお願いします」。
3/15 相談員さんと電話。「3月22日朝9時に退院して、そのまま鴨居の包括ケア病棟に移動。移動は介護タクシーを呼んでおく。退院の際、入院費を精算して。この後、鴨居の病院にも電話しておいて」
鴨居の包括ケア病棟の相談員さんに電話。入院時の説明を受ける。こちらの病院は面会は週に1回、10分間のみ。病院によって随分と違うもんだね。
3/16 4月10日に親父の車が車検切れになる。「もう運転することは無理だから、お金払って車検を通してもムダになる。車は売ってしまおう」と言ったら、ちょっと渋ったものの了解してくれた。やった!これでもう親父が車を運転する心配をしなくて良くなる!
3/17 早速、町田の中古車屋さんに車を持って行く。親の車を息子が勝手に売ることは出来ないから、それなりに書類が必要だった。
車は傷がたくさんあるため、62万にしかならなかったが、それで良し。
↓スマート4×4。62万で売却。
3/18 病院から紹介されたケアマネジャーさんと会う。またもや30代半ばの女性だった。いい人そうなので、この人にお願いすることを即断。その場で契約書にハンコを押した。
3/22 9時退院。3月分入院医療費12万6440円。保証金30万円バック。親父とお袋は介護タクシーで鴨居の病院に移動。オレは自分の車で後を追う。
10時、鴨居の病院に到着。前の病院より小さめ。親父は検査。オレは入院手続き。タオルやティッシュや下着などの購入契約。入院保証金5万。
親父には「今までと病院が変わったのだから、お世話の仕方や病院のルールも違うかもしれん。それでも不満やワガママを言ってはいけない。いくら給料もらってるとは言っても、見ず知らずの老人をこんなに丁寧にお世話してくれるんだから、ありがたいと思うように」と言っておいた。
3/23 ケアマネージャーさんから電話。「お父様の状態を確認しておきたいので、4月8日15時に病院受付で待ち合わせましょう」
こうして3月が終わった。死なずに退院出来たことは喜ぶべきことだが、オレはいろんな手続きに忙殺されていて、「この大変さはいつまで続くのか」という不安の方が大きい。
以前から親父は「俺はお前らの世話にはならん。勝手に死んでいくから大丈夫だ」なんて言ってたくせに、思いっきり世話になってるじゃねーか。
親を反面教師として、オレは今から少しずつ自分が老いて死ぬまでの準備をしておこう。エロいモノの処分も忘れないこと。