今年もやってるねー。見てないけど。
24時テレビで思い出すのは、2015年8月22日です。
この日、オレは熱海から東京まで100キロジョギングをしたのです。
同じ日、24時間テレビではDAIGOが100キロマラソンをしてました。
当時、ジョギングするようになって3年ぐらい経ってたのですが、オレの中に「100キロ走るのに24時間もかかんねーだろ」という疑惑が生じてきました。
だって、ヒトは普通に歩くだけで、1時間に4キロ進めるんだから、軽く走れば、休憩したとしても、20時間ぐらいあれば全然いけるはずなのです。
しかも、うまい具合に日曜の夜9時頃に、サライの合唱中に武道館にゴールするなんて、どう考えても怪しすぎる。
普通に走ったら夕方5時くらいの「笑点」やってる時間に武道館に着けるはずなのだ。
いや、オレだって、業界の端くれにいたんだから、「そこはまあ、お約束ってことで(ニヤリ)」というのも分かっちゃいるけど、バラエティ番組ならいざ知らず、寄付を募る番組でそんなことをやってはいかんのではないか?!
そこで、24時間テレビの日に、オレも100キロジョギングをして、何時ぐらいにゴール出来るか確かめることにしたのです。
でも、日テレさんと同じコースを走ると、何かとご迷惑をおかけしてしまうので、別のコースを走ることにしました。
コネを駆使して綿密な調査をしたところ、オレが「熱海→東京」のコースを走れば、日テレさんと被ることはなさそうでした。
↓緻密なスケジュール表。
新幹線で熱海まで来て、さらにローカル電車で伊豆多賀駅に来ました。計算上、ここをスタート地点にすると、東京(日本橋)まで100キロなのです。
オレは夕方の6時にスタートしました。
DAIGOは、夜7時にスタートしたんだっけかな。ゴールは例によって翌日の夜9時ぐらいだろうね。
ん?ちょ、ちょっと待ってよ?
「24時間テレビ」だから24時間で走るもんだと思ってたけど、実は26時間もかけて走るのかよ!
↓伊豆多賀駅界隈の景色。美しい。
DAIGOには、何百万人もの視聴者と、伴走してくれるトレーナーやスタッフがいるけど、オレはたった一人で走ります。アローンです。
走り出して間もなく、職場の部下や、その他いろんな知人から、「堀北真希がコージー山本と結婚したみたいですよ!」「堀北さんが結婚したよ!」と続々とラインが入りました。
ガビーンとショックを受けながらも、「嘘だ、ガセだ」と呟いてました。
さらに真鶴あたりで土砂降りの雨が降り始め、海岸沿いの道路の下の崖に打ち付ける波しぶきがオレにバシャバシャかかってきます。水族館のイルカショーみたいにずぶ濡れです。
まだ2時間ぐらいしか走ってないのに、完全にやる気が無くなりました。
オレは雨の中、一体なんのために走ってるんだろう。100キロ走った先に何があるというのだろう。
豪雨と堀北さんの結婚に打ちのめされ、茫然自失のままフラフラ走ってたら、いつのまにか小田原に来てました。真夜中の2時過ぎです。
目の前に万葉の湯があったので、雨に濡れた体をお風呂で温め、ざる蕎麦かなんかを食べました。
もう眠いし、このままここで寝て、朝になったら電車で帰ろうかな。なんて事を思ったりもしたけど、ここでやめたら、オレは日テレさんとDAIGOとコージー山本に負けたことになります。
こんなにいろんな相手にいっぺんに負けるワケにはいかないのです。
万葉の湯で2時間ほど休憩して、再び走り始めました。脳内では、ロッキーのテーマ曲とZARDの「負けないで」が交互にリフレインしていました。
いつしか雨は止み、太陽が昇り始めた頃、大磯を過ぎ、陽射しが照りつける中、藤沢、横浜を走り抜け、昼の3時ぐらいに東京の日本橋に帰り着きました。3時だよ、3時!
サライを歌いながら迎えてくれる人は誰もいませんでした。
オレは完走して嬉しかったけど、感動の涙など、一滴も出てきません。つーか、なんで、24時間テレビのランナーはあんなに泣けるのかねえ。
まあ、とにかくオレは日テレさんとDAIGOには勝てたのです。コージー山本には負けたけど。
よく頑張ったな、オレ。やったじゃないかオレ。誰も途中でマッサージしてくれなかったけど、最後まで走れたじゃないか。靴ズレで足の裏がベロベロになっちゃったけど。
しかし、しばらく経って、オレは DAIGOに負けてた事が発覚しました。DAIGOが北川景子と結婚したのです。
あんな26時間もかかったくせに、北川景子はそれに感動してプロポーズを受けたそうな…
オレなんか、万葉の湯で2時間休憩したの入れても19時間40分で走ったんだよ?
オレも完走した直後に堀北さんに「コージー山本と別れてください!」って言っておけばよかったのに、と今でも24時間テレビの季節になると後悔の念が湧いてくるのです。