川崎。そこは日本の高度経済成長を支えた街。
東京から横浜に続く京浜工業地帯の中間にあり、鉄鋼、石油などの工場と、それらを国内外に運ぶ工業港を持つ重要な地域である。
その一方、日本のケープタウンと恐れられる街でもある。
街を歩くと「兄ちゃん金くれよー。ヤク買いてーんだよー」と瞼が窪んだオッサンにたかられるかもしれない。
あるいは「女の子二人付いて、60分3000円ぽっきりで飲み放題だよ!」と言ったはずなのに、店を出る時には10万円払わなくてはならないかもしれない。
そんな危険な街には近付かない方がいいのかもしれない。
だが、男は川崎へ向かう。
三島由紀夫も「潮騒」の中で、「その川崎を飛び越して来い!」と書いている。
川崎を乗り越えた時、オレは伝説になる。プルメリアの伝説に。
川崎駅を出て西口(北口?)に出ると、大企業が立ち並ぶオフィス街だ。
だが、気を付けねばならないのは東口だ。海に近い東口がデンジャーなのだ。
東口を出て、まず現れるのが仲見世通だ。駅前商店街だからと言って油断してはならない。それが川崎だ。
↓「ソーシャルディスタンスを守ること」と「客引き禁止」が並列で書かれた横断幕。どちらも大切だからね。
↓ケンタッキーがあった。ケンタには結界が張られているから、川崎の中でも安全な場所だ。
お昼ご飯はケンタッキーのランチセット。
さて、いよいよデンジャーゾーンに潜入する。
まずは、お風呂屋さんがたくさんあることで知られる堀之内だ。駅から徒歩で10分ほどのとこにある。
↓一見すると、閑静なストリートだ。
まだ昼の2時過ぎだったこと、そしてパトカーがかなり頻繁に巡回してるせいもあってか、路上に客引きはいない。
そのかわり、どの店の入り口にも黒服のお兄さんが立ってて、「お兄さん、写真見学だけでもどうですか?」「写真見て行かない?」「写真見学してってくださいよー」と、やたら写真を見せたがる。
写真を見たら、なんだかんだ言いくるめられて逃げられない。オレは押しに弱いのだ。
↓海老料理の店ではない。(このエリアでは気軽に写真を撮ることが許されない雰囲気なので、命懸けでこそこそ撮った)
オレはお風呂に入るつもりはないので、足早に通りを歩いて行く。背中に「写真見て行ってー」という言葉を浴びながら。
「おいおい、本当に通り過ぎただけかあ?(ニヤリ)」と疑念をお持ちの方もいらっしゃることだろう。
もっともなご意見だ。
この時間なら、ハッピーアワー的なシステムがあって、通常価格よりずっとお得なはずだし。
だが、誓ってオレはお風呂に入らなかった。それを証明する手立てはない。
オレは値段の相場が知りたかっただけなんだ。入らなかったつったら入らなかったんだ。つべこべ言うな!
堀之内を後にした中高年男性は、アヴァンティという1000円床屋(ほんとは1100円)で散髪した。知らない街で髪を切るのは楽しい。
近くにはお馴染みのQBハウスもあったが、そちらは1350円なのだ。いつの間にか値上げしておった。
なので安いアヴァンティを選んだ。このご時世、消費者は値段に敏感やまかん第六感なのだ。
今回、川崎に来た理由は、映画を観るためでもある。
「ハロウィンTHE END」という超絶人気シリーズの完結編だ。
そんな超絶人気シリーズなら、横須賀コースカとか横浜で観ればいいじゃんと思うだろう。
ところがほとんどの劇場では、19時から一回のみしか上映しないとか、とても不便な時間割りなのだ。
なんで一日に一回しか上映しないんだバカ!
そんな遅い時間の上映だと中高年は途中で眠くなっちゃうんだよ!
(この時期のシネコンはコナンを1日に20回ぐらいかけてたから他の映画の上映が少なくされてた)
で、調べまくったら、川崎チネチッタで16時からやってることが分かった。(ここも一日一回の上映だけど)
なので、川崎に来た。せっかく川崎に行くなら街を探検しようと、そういうワケなのだ。
↓チネチッタ。レストランとかもある、イタリア風の娯楽施設。
↓初めての映画館はワクワクします。
↓映画自体は、最後だからって頑張り過ぎちゃって、やや散漫な感じ?
ハロウィンは元々低予算で始まったんだから、その風情をもっと残して欲しかったわね。でも、いいの。生きてるうちに最終作が見れて満足。
さて、映画も観たし、次は何をしよう。
だんだんと陽も暮れてきた。川崎がギラギラし始めた。
なんと、今回は川崎に一泊するのだ。命知らずにも程がある。
でも、続きはまた今度。