早期退職ブログ

早期退職後の暮らし。

午前十時の映画祭「近松物語」

14本目。「午前十時」のラインナップの中で、今が一番しんどい時期です。

前々回の「マイライフアズアドッグ」、前回の「灰とダイヤモンド」、そして今回の「近松物語」と3本連続で初見が続いています。

 

これらの映画は「見たいのに見逃してた」わけではなく「見る気にならないから見なかった映画」なので、モチベーションが上がってこないのです。

でも、どれも名作と言われてるものなので、大学一年の一般教養の授業みたいなものと思って頑張って見ております。

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えーと。「近松物語」は溝口健二監督です。溝口健二と言ったら、黒澤、小津と並ぶ日本を代表する世界的な監督です。

だけど、今まで溝口映画だけは一本も見てませんでした。だって、「山椒大夫」とか「西鶴一代女」とか、なんか古典の授業みたいな感じで難しそうなんだもん。

 

でも、これは見た甲斐がありました。お話は難しくないし、「灰とダイヤモンド」の時みたいに、背景を知らないとストーリーも面白くない、なんてことはありません。

原作である近松門左衛門浄瑠璃ってのは、たぶん庶民向けの娯楽として作られたものなので、誰もが共感出来るシンプルなお話なのだと思います。

オレもちゃんと、「主人公の二人(長谷川一夫香川京子)ってば、すげー可哀想!」って思ったもの。

(あらすじ。主人公の二人は不倫してないのに不倫してるって周りの人に誤解されて、ニッチもサッチも行かなくなる)

 

溝口監督の構図はとてもカチッとしてて、それだけでも美しいんだけど、撮影監督が宮川一夫という日本一のカメラマンだから、それはもう息を呑むほどキレイな画で感動します。

またそのうち溝口映画を見てみようかな、とちょっと思いました。